坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
このことわざをきいたことのない人はいないでしょう。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の意味は、ある人を憎いと思うとその人に 関係のある全ての物が憎く思えてしまうというたとえです。 坊主が憎いと思う人は坊主だけでなく、坊主の衣装である袈裟までも憎くなる、 ということです。
僧侶の袈裟
袈裟とは仏教の僧侶が身にまとう布状の衣装のことです。
袈裟は赤褐色の意味を持つサンスクリット語のカシャーヤを音訳したもので、 糞掃衣、福田衣とも呼ばれます。 その起源はインドの仏教僧侶が身にまとっていた布です。
袈裟の色
袈裟はなぜあんな色をしているのでしょうか。
インドで釈尊(お釈迦様)が説法を行っていた頃、同じく仏弟子たちも釈尊の 教えである人間の生きる道を人々に説いてまわっていました。 悩みを持った人や迷いのある人に仏の教えを説き、生きるための智慧や 正しい生き方をする方法を授けていたのです。 自分で生産活動を行ってはいない僧侶は、衣食をそういった人々に施して もらっていました。
お布施の由来
布を施す、がお布施の名前の由来となっているのです。
インドの仏弟子たちは裸身で托鉢をするわけにはいきませんので、 サリーに似た布をまとっていました。 埃やチリから身を護り、熱風から体を保護しなければいけないので、 そういった理由から布をまとう必要もあったからです。